「悪いニュース」は血液量や脈拍数に影響 うつ傾向も強める
また、1997年にサセックス大学のジョンストンとグラハムは、30人の被験者たちを次の3つのグループに分け、以下のような実験を行っています。【グループ1】ポジティブな内容のニュース速報が14分間集められたビデオを見る【グループ2】中立的な内容のニュース速報が14分間集められたビデオを見る【グループ3】ネガティブな内容のニュース速報が14分間集められたビデオを見る。
実験の結果、【グループ3】の被験者たちは、不安や悲しい気分が増幅され、ニュースに関係ない個人的な心配事まで大げさに捉えるようになったり、抑うつ症状や悲観的思考に陥りがちになることが分かりました。
メディアから流れる暴力的なニュースやネガティブな報道は、長期的に心理的悪影響をもたらす――とは、イギリス人の心理学者・デイビー博士の言葉です。彼は、こういった報道はストレスや不安、抑うつ症状を増大させ、場合によっては、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を引き起こす要因になるとも指摘しています。
しかも、「被害を強調して放送したり、感情的な側面を多分に押し出したりすると、その影響は顕著である」とも述べています。何げなくつけているテレビから流れてくるネガティブなニュース。そして、論理的に物事を分析する以上に、感情的なコメントを発する出演者たち……そういう番組ばかり目にしていると、知らないうちに気分が落ち込んでしまうのです。