著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

「悪いニュース」は血液量や脈拍数に影響 うつ傾向も強める

公開日: 更新日:

 また、1997年にサセックス大学のジョンストンとグラハムは、30人の被験者たちを次の3つのグループに分け、以下のような実験を行っています。【グループ1】ポジティブな内容のニュース速報が14分間集められたビデオを見る【グループ2】中立的な内容のニュース速報が14分間集められたビデオを見る【グループ3】ネガティブな内容のニュース速報が14分間集められたビデオを見る。

 実験の結果、【グループ3】の被験者たちは、不安や悲しい気分が増幅され、ニュースに関係ない個人的な心配事まで大げさに捉えるようになったり、抑うつ症状や悲観的思考に陥りがちになることが分かりました。

 メディアから流れる暴力的なニュースやネガティブな報道は、長期的に心理的悪影響をもたらす――とは、イギリス人の心理学者・デイビー博士の言葉です。彼は、こういった報道はストレスや不安、抑うつ症状を増大させ、場合によっては、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を引き起こす要因になるとも指摘しています。

 しかも、「被害を強調して放送したり、感情的な側面を多分に押し出したりすると、その影響は顕著である」とも述べています。何げなくつけているテレビから流れてくるネガティブなニュース。そして、論理的に物事を分析する以上に、感情的なコメントを発する出演者たち……そういう番組ばかり目にしていると、知らないうちに気分が落ち込んでしまうのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  3. 3

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  4. 4

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  5. 5

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  1. 6

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  2. 7

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  3. 8

    維新のちょろまかし「国保逃れ」疑惑が早くも炎上急拡大! 地方議会でも糾弾や追及の動き

  4. 9

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  5. 10

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方