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坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

血糖コントロールが悪い糖尿病患者は歯周病発症率が2.6倍高い

公開日: 更新日:

 日本では、HbA1c6.5%以上の2型糖尿病患者は健常者より歯周組織破壊の相対リスクが1.17倍高まるという研究発表があります。

 一方、1型糖尿病では、「血糖コントロールが不良であった群は良好であった群に比べて歯周病が進行する」、また「歯周病治療後の歯周病発症率が高い」との報告があります。

 しかしながら、1型糖尿病と歯周病との関連について適切なエビデンスがないという最近の系統的レビューもあり、今後の検討が待たれます。系統的レビューとは、質の高い研究データから、データの偏りになるものを限りなく取り除き、分析したものを指します。

 なぜ、糖尿病が歯周病を悪化させるのか? それには主に3つの理由が挙げられます。

 1つめは、高血糖で脱水傾向になり、口の中が乾燥して唾液による自浄作用が低下すること。2つめは、高血糖で細菌に対する抵抗力が弱まること。3つめは、血中の過剰なブドウ糖がタンパク質と結び付いてAGEs(最終糖化産物)という物質を作り出し、これが歯周組織の性質を機能的に変化させること。

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