著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

受診中断理由で多い「忙しい」「病院が遠い」「経済的負担」

公開日: 更新日:

 私が診ている大学病院では、比較的重症な糖尿病患者さんや治療に熱心な患者さんが中心ということもあり、受診を中断せず、病院に通い続けてくれている方がほとんどです。ただ、糖尿病患者さん全体で見ると、途中でドロップアウトしてしまい、症状が進行してからまた通い始める、という方も少なくありません。

 厚労省の「糖尿病予防のための戦略研究」では、「通常診療群(積極的に治療の必要性を説かない一般的な診療)」で、1年当たりの受診中断率は、「パイロット研究」では8.16%、「大規模研究」では8.25%。パイロット研究とは、研究の初期段階で行う少人数の被験者を対象とした研究のことで、これらの結果から1年当たりの受診中断率は8%程度と推定されます。

 この研究結果からは、年齢では若い人ほど、性別では男性ほど、そして仕事を持っている人ほど、受診の中断をしやすい傾向にあり、過去に受診中断をした人の方が受診中断率が高い、と示されました。

 受診中断理由としては、「仕事/家庭の事情で忙しい」「自宅から距離が遠い」「体調が良い」「今通院しなくても大丈夫だと思う」「糖尿病を治療する必要性を感じない」「医療費が経済的に負担であるから」が目立ちました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希を徹底解剖する!掛け値なしの評価は? あまり知られていない私生活は?

  2. 2

    江藤拓農水相が石破政権の最初の更迭大臣に?「隅々まで読んだ」はずの食糧法めぐり“逆ギレ誤答弁”連発

  3. 3

    「相棒」芹沢刑事役の山中崇史さんが振り返る俳優人生…地下鉄サリン事件「忘れられない」

  4. 4

    吉幾三(5)「お前のせいで俺と新沼謙治の仕事が減った」

  5. 5

    みのもんたさんが自身のスキャンダルで見せた“類まれな対応力”…明石家さんま、石田純一との共通点

  1. 6

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 7

    大阪・関西万博もう間に合わず? 工事未完を「逆転の発想」で楽しむ方法…識者が皮肉たっぷり提唱

  3. 8

    日本代表FW古橋亨梧の新天地は仏1部レンヌに!それでも森保ジャパン復帰が絶望的なワケ

  4. 9

    維新は予算案賛成で万々歳のはずが…ゴタゴタ続きで崩壊へ秒読み 衆院通過の自民はニンマリ?

  5. 10

    松坂桃李「御上先生」第7話2ケタでV字回復へ 詩森ろばの“考えさせる脚本・演出”はTBS日曜劇場からの挑戦状