著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

血糖コントロールが悪い糖尿病患者は歯周病発症率が2.6倍高い

公開日: 更新日:

認知症にもなりやすい

 歯周病もまた、さまざまな病気のリスクを上げることが知られています。歯がぐらぐらしたり歯の数が減れば食べられるものが限られてきます。すると十分な栄養が取れなくなります。硬いものが食べづらく、加熱しないと食べられないとなれば、熱に弱いビタミン類の摂取量が減ります。栄養不足は体全体の働きを低下させ、病気への抵抗力を弱めます。食事量が減ると、衰弱や虚弱を表す「フレイル」にも陥りやすくなります。

 また、歯周病の炎症が続くと、歯周病菌や歯周病菌の出す毒素が血液中に入り込み、血管内で炎症を起こし、血栓(血の塊)を生じさせます。血栓は動脈硬化を促進し、狭心症や心筋梗塞脳卒中のリスクを高めます。

 最近は、認知症のリスク因子にも歯周病は数えられています。歯周病菌や歯周病菌の毒素は脳の血管にも影響を及ぼしますし、歯周病で噛む回数が減れば、それだけ脳への刺激も少なくなります。糖尿病も認知症のリスク因子ですので、ダブルで認知症を起こしやすくなります。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    八角理事長が明かした3大関のそれぞれの課題とは? 豊昇龍3敗目で今場所の綱とりほぼ絶望的

  2. 2

    フジテレビにジャニーズの呪縛…フジ・メディアHD金光修社長の元妻は旧ジャニーズ取締役というズブズブの関係

  3. 3

    元DeNAバウアーやらかし炎上した不謹慎投稿の中身…たびたびの“舌禍”で日米ともにソッポ?

  4. 4

    松本人志は「女性トラブル」で中居正広の相談に乗るも…電撃引退にショック隠しきれず復帰に悪影響

  5. 5

    ついに不動産バブル終焉か…「住宅ローン」金利上昇で中古マンションの価格下落が始まる

  1. 6

    フジテレビ顧問弁護士・菊間千乃氏に何が?「羽鳥慎一モーニングショー」急きょ出演取りやめの波紋

  2. 7

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  3. 8

    菊間千乃は元女子アナ勝ち組No.1! フジテレビ退社→弁護士→4社で社外取締役の波瀾万丈

  4. 9

    中居正広「引退」で再注目…フジテレビ発アイドルグループ元メンバーが告発した大物芸能人から《性被害》の投稿の真偽

  5. 10

    中居正広「華麗なる女性遍歴」とその裏にあるTV局との蜜月…ネットには「ジャニーさんの亡霊」の声も