悲劇を生まないために「延命」「緩和」の意味を知っておく 在宅診療の名医が語る

公開日: 更新日:

 脳死の状態なのに無理やり人工呼吸器が付けられる、自然な老衰の人に無理やり胃ろうの手術をする、看取りが近い人に食事が食べられないからと点滴をする、などがこれにあたる。

 これらは患者の自然の死を阻害して患者を苦しめるばかりか、長期間の介助を強いられる家族をも苦しめることになる。

 ただ、ここで気をつけたいのは医療は日進月歩で進化しているということ。私たちが知るかつての医療常識と今とでは大きく異なる。延命の意味を想像で解釈するのは危険だ。

 たとえば、最近は「胃ろうは絶対やめて欲しい」という患者や家族が多いという。スパゲティ症候群をイメージするからだ。

 これは点滴や呼吸を補助する人工呼吸器のチューブ、尿を採るバルーンなどの管、脈拍や血圧を調べるためのチューブ類を何本も体に付け、ほとんど意識のないまま長期間にわたってベッドに寝かされている状態を指す。

 生きてはいるが、意思を示すことはない。装置を外さない限り何年にもわたって呼吸し続ける。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束