悲劇を生まないために「延命」「緩和」の意味を知っておく 在宅診療の名医が語る

公開日: 更新日:

 脳死の状態なのに無理やり人工呼吸器が付けられる、自然な老衰の人に無理やり胃ろうの手術をする、看取りが近い人に食事が食べられないからと点滴をする、などがこれにあたる。

 これらは患者の自然の死を阻害して患者を苦しめるばかりか、長期間の介助を強いられる家族をも苦しめることになる。

 ただ、ここで気をつけたいのは医療は日進月歩で進化しているということ。私たちが知るかつての医療常識と今とでは大きく異なる。延命の意味を想像で解釈するのは危険だ。

 たとえば、最近は「胃ろうは絶対やめて欲しい」という患者や家族が多いという。スパゲティ症候群をイメージするからだ。

 これは点滴や呼吸を補助する人工呼吸器のチューブ、尿を採るバルーンなどの管、脈拍や血圧を調べるためのチューブ類を何本も体に付け、ほとんど意識のないまま長期間にわたってベッドに寝かされている状態を指す。

 生きてはいるが、意思を示すことはない。装置を外さない限り何年にもわたって呼吸し続ける。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  2. 2

    長嶋茂雄引退の丸1年後、「日本一有名な10文字」が湘南で誕生した

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  5. 5

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  1. 6

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  2. 7

    レーダー照射問題で中国メディアが公開した音声データ「事前に海自に訓練通知」に広がる波紋

  3. 8

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  4. 9

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  5. 10

    巨人が現役ドラフトで獲得「剛腕左腕」松浦慶斗の強みと弱み…他球団編成担当は「魔改造次第」