著者のコラム一覧
森維久郎赤羽もり内科・腎臓内科院長

三重大学医学部卒業。日本腎臓学会専門医。2020年5月、腎臓内科、糖尿病内科、生活習慣病の診療に特化したクリニックを開院。腎臓について伝える情報サイト「腎臓内科ドットコム(https://jinzonaika.com/)」を監修。

健康に生きていくうえで重要な3つのホルモンを作り出す

公開日: 更新日:

「体内の司令塔」とも呼ばれる腎臓。それは、腎臓の主要な働きが、血液が運んできた老廃物を尿として体外に排出し、体の中に不要なものをためないようにすることにあります。

 さらに腎臓は、健康に生きていくうえで重要な3つのホルモンを作ります。具体的には、体内の赤血球を増やす役割がある「造血ホルモン(エリスロポエチン)」、血管の拡張と収縮に関わる「血圧調整ホルモン(レニン)」、カルシウムの吸収を促進し、骨への吸着を促す役割がある「活性型ビタミンD」です。

 造血ホルモン(エリスロポエチン)は、骨髄の造血幹細胞に働きかけて体内の赤血球の数を調整しています。腎機能が低下してしまうと、造血ホルモンの分泌が少なくなり赤血球が減少。こうなると、貧血を起こしやすくなります。

 血圧調整ホルモン(レニン)は、血圧を上げる作用を持つ「アンジオテンシンⅡ」というホルモンに働きかけ、血圧を一定に保つ手助けをしています。腎臓がうまく働かなくなるとレニンが過剰に分泌され、血圧が上昇し高血圧を招きます。


 では、活性型ビタミンDを生成する力が弱くなると、どうなるか。カルシウムの吸収が悪くなり、その結果、骨粗しょう症などの骨の病気を引き起こしやすくなります。骨がもろくなったり、骨密度が下がると、ちょっと転んだだけで骨折してしまう可能性が大きくなる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし