「痩せ」が命を縮めるのはどうしてなのか…肥満よりも死亡リスク増

公開日: 更新日:

 病気別に見ても、男性のがん死亡リスク肥満よりも痩せのほうが高く、同じく心血管や脳血管の病気による死亡リスクは、BMI:23~25未満のグループと比べると、21未満は高くなっている。

■筋肉量が減少すると病気になりやすい

 低体重=痩せすぎの人は、「筋肉」と「脂肪」が減った状態といえる。いずれもわれわれの体にとって重要な働きがあるので、これらの減少は健康を維持するうえで大きなリスクになる。

「筋肉は体重の40~50%を占めていて、心臓が全身に送り出す血液の“受け皿”になっています。体の隅々を巡った血液を心臓に戻す際には、ふくらはぎなどの筋肉(骨格筋)がポンプの役割を担っている。そのため、筋肉量が減ると心臓に戻る血流が減り、血圧の調節が不良になります。すると、心臓は血流を確保しようとフル回転を強いられ、負担が増大するのです。痩せている人が高血圧症などの危険因子を1つ以上持っている場合、心血管疾患の発症率は危険因子がない太り気味の人の約2倍になるといわれています。また、筋肉は脳神経細胞や代謝免疫作用を活性化させるマイオカインという生理活性物質を出します。リンパ球などの免疫細胞を活性化させるグルタミンも多く蓄えられているので、筋肉量が減ると免疫力の低下を招き、肺炎などの感染症やがんにかかりやすくなると報告されています。さらに、筋肉は血糖値の調整も行っているので、筋肉量が減ると血糖値が上昇して糖尿病リスクもアップします」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  3. 3

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  4. 4

    “最強の新弟子”旭富士に歴代最速スピード出世の期待…「関取までは無敗で行ける」の見立てまで

  5. 5

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  1. 6

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  2. 7

    物価高放置のバラマキ経済対策に「消費不況の恐れ」と専門家警鐘…「高すぎてコメ買えない」が暗示するもの

  3. 8

    福島市長選で与野党相乗り現職が大差で落選…「既成政党NO」の地殻変動なのか

  4. 9

    Snow Manライブで"全裸"ファンの怪情報も…他グループにも出没する下着や水着"珍客"は犯罪じゃないの?

  5. 10

    今の渋野日向子にはゴルフを遮断し、クラブを持たない休息が必要です