「食べる時間と健康」何がわかり、何が未解決なのか? 時間栄養学の第一人者が語る

公開日: 更新日:

 さらに高齢女性を対象にした、3食のタンパク質の摂取量と骨格筋量との関係を探る調査でも、朝食で多くのタンパク質を摂取している人は骨格筋指数(全身の筋肉量を身長の2乗で割った値)や握力が高いこと、それは朝食でのタンパク質の摂取量と相関関係にあることなどを報告している。

「BCAAが多く含まれている食品は、マグロ、カツオ、アジ、サンマ、牛肉、鶏肉、卵、大豆などです。まだ観察研究の段階で断定はできませんが、こうした食品を朝に取ることがサルコペニアを予防し、寝たきりを防ぐことにつながるのでないか、と考えています」

 ほかにもさまざまな栄養素の摂取と時計遺伝子との関係が明らかになっている。魚油に豊富に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)といった脂質は、体内では合成できない必須脂肪酸で、中性脂肪の低下や抗血液凝集作用、抗炎症作用があり、脳梗塞心筋梗塞などのほか認知症予防やがん予防などにも効果があることが報告されている。

「そのDHAやEPAはさまざまな体内時計のメカニズムから、夜よりも朝食べた方が効果があるだけでなく、体内時計に作用することで体を夜型から朝型へ促すこともわかっています」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束