タンパク質摂取のポイントは「アミノ酸スコア」と「朝」にあり
世はタンパク質ブームだ。タンパク質補給商品の市場規模は10年前と比べて3倍以上。中でもプロテイン商品の売り上げの伸びは顕著だ。ただ、タンパク質摂取について、正しく認識されていない傾向がある。
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「高齢者ほど、タンパク質の積極的な摂取が必要です」
こう話すのは、「ひめのともみクリニック」の姫野友美院長。
プロテインをはじめ、タンパク質というと、「筋肉ムキムキの人や運動している人が取るもの」という印象が強くないだろうか。そうなるのももっともで、プロテイン商品の機能別品目の比率をみると、筋力増強目的が半数以上だ。また、健康・ウエルネスに関するリサーチや情報発信などを行うウェルネス総合研究所が高齢者の対面調査を行ったところ、「プロテインは筋肉とスポーツのものという印象が強い」との結果が出た。
しかしタンパク質は、高齢者の寝たきりや認知症対策において、非常に重要な存在なのだ。
加齢とともに筋肉量は減少し、筋力も低下。これをサルコペニアというが、サルコペニアになると歩く、立ち上がるなどの日常生活の基本的な動作に支障が生じ、介護が必要になったり、転倒しやすくなったりする。サルコペニアは、高齢者の各種疾患に影響を与えることも報告されている。