ワクチン接種後の肩痛 ひどい場合はサイレントマニピュレーションで治療
コロナワクチン接種後に、肩の痛みを訴える人が増えています。先週お伝えした通り、ワクチン接種後に生じる肩関節の障害を「SIRVA」といいます。
じつはSIRVAとワクチンとの因果関係を示すエビデンスはまだありません。症状は五十肩と同じですから、患者さん自身、最初は「そのうち良くなるだろう」と考えがちですし、医師も「五十肩ですね。鎮痛剤を出しておきましょう」といった対応になりがちです。
しかし、SIRVAは早期であればあるほど、侵襲性の低い治療で速やかに改善するのです。それこそ鎮痛剤でも治ります。
ただ、放置しておくと鎮痛剤では不十分。肩が痛くて腕が上がらない状態にまでなった人には、サイレントマニピュレーションが非常に効きます。麻酔を肩に打って動かすことで、縮んでしまった関節包をはがし、肩の動きを劇的に改善する治療法です。
コロナワクチン3回目接種後から肩が痛くなり、数カ月間我慢していたという患者さん。他院で「五十肩」と診断され、鎮痛剤の内服と自主訓練の運動療法では治らずにサイレントマニピュレーションを受けて治ったケースもSIRVAにはあります。