整骨院でも脱臼を治せるのになぜ病院受診が必要なのか?
高校時代、サッカーのプレー中に肩の脱臼を繰り返した私は、整骨院の先生の強い勧めで、肩関節専門の整形外科を受診しました。
当時の私は、整骨院でも脱臼の治療(外した肩をはめるスティムソン法)を受けられるのに、なぜわざわざ混み合っている整形外科、しかも肩関節専門の病院を受診しなければならないのか、よくわかっていませんでした。読者の皆さんの中にも、肩の脱臼に限らず、整形外科領域の不調や痛みを、整形外科ではなく整骨院やマッサージなどの施術で対処している人は多いのではないでしょうか。
整形外科では、まず腕の動きをチェックされました。その時、私が感じたのは「肩が外れそうで、怖い!」というもの。脱臼する腕の位置は大体決まっており、腕を体から離すような動き(外転)や体の外側に回転させる動き(外旋)をした時、肩が外れる感じが強くなる、と説明されました。
「脱臼を繰り返すと、肩関節の中の靱帯が緩くなる。整骨院でも、長年の経験で肩の構造について知っているので、『外れた肩を元通りにはめる』ということはできる。しかし、肩関節や靱帯に損傷が生じていないかまでは確認できないので、応急処置しかできない。だからまた脱臼を繰り返す。整形外科ではCTやMRIの画像検査で肩の構造についても調べ、治療を行うので、根本的に治すことができる」
整形外科で行う脱臼の根本的な治療とは、手術のこと。最初は戸惑っていた私でしたが、その時の整形外科医の懇切丁寧な説明で、その必要性を深く納得できたのでした。手術がなぜ必要なのか、次回で触れたいと思います。