著者のコラム一覧
森大祐整形外科医

整形外科全般診療に長年携わる。米国トーマスジェファーソン大学で人工肩関節の臨床研究を行い、2000例超の肩関節手術を経験。現在は京都下鴨病院で肩関節や肘関節、スポーツ障害患者に診療を行う。サイトで整形外科疾患の情報を発信。

肩関節脱臼は初期のうちに手術できっちり治した方がいい

公開日: 更新日:

 高校時代の私に、肩の脱臼ぐせを根本から解決するため手術を勧めてくれた整形外科医とのやりとりは今でも覚えています。画像検査の結果、肩の骨が一部欠けていて、靱帯が損傷していることを、肩の模型を使って説明してくれました。

 さらには、正常な肩との比較も。私のような「なんで手術が必要?」と疑問を抱く患者も納得するような、懇切丁寧な説明でした。この時の経験を、今、私は患者さんに説明する際に生かしています。

 一度脱臼すると、肩の中の靱帯が緩み、何度も繰り返しやすくなります。整骨院で肩をはめ直しても、損傷した肩にアプローチした治療を行わない限り、「根本的治療」にはなりません。

 2021年、「TheAmericanJournalofSportsMedicine」という整形外科領域で非常に権威ある医学誌で、フランスの施設が、初回肩関節脱臼をした40人を手術群と外固定群(三角巾や装具で固定する保存療法)に分け比較した研究を発表しました。それによると、手術群の方が有意に再脱臼を防ぐ率が勝っていました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…