新学期が始まってもダラダラ…一家の「社会的時差ボケ」をどう解消するか?
朝の駅に学生服姿の子供たちが戻ってきた。休み明けの新学年を迎えて張り切っていると思いきや、寝不足の顔をした子供たちが多い。ただよくよく見ると、あくび顔は子供だけでなく大人や高齢者にも多い。そんな姿に、内心で苛立っている人も多いのではないか。しかし、それは気力が足りないのでも怠けているのでもない。休みと平日との睡眠時間の差による「社会的時差ボケ」が影響しているという。早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構招聘研究員で、時間栄養学の観点から医学や栄養学、調理学など幅広い領域の研究を行う愛国学園短期大学の古谷彰子准教授に話を聞いた。
「子供に限らず、大人でも休み明けは決まって体がだるく、ダラダラしてしまうという人がいます。かつては疲れが残っているからと思われていましたが、いまは『ソーシャルジェットラグ』(社会的時差ボケ)が原因であることがわかっています」
社会的時差ボケとは、会社、学校、家事などで制約がある平日の睡眠と制約のない休日の睡眠、その人本来の生物学的睡眠との差によって引き起こされる「生活リズムのずれ」を指す。休み明けに寝足りない、体が本調子でないと感じるのはこの社会的時差ボケによるものだという。