頭痛の痛みのパターンが変わったら甲状腺機能の異常を疑え
あまり知られていないかもしれませんが、甲状腺機能の異常が頭痛を増悪させる、もしくは、頭痛の性状を変化させることがあります。
甲状腺機能にはどんな疾患があるのか。ひとつは「バセドー病」という甲状腺機能亢進症。甲状腺の働きが異常に活発になることで、甲状腺ホルモンが過剰に産生され、文字通り体内の代謝が亢進する。そのため、例えるなら常時走り続けているような状態になってしまうんですね。
症状は人によってさまざまですが、典型的なものとして体重減少や動悸、指が震える、極端に暑がりになる人も。精神的なものでは、イライラが治まらなかったり常に落ち着きがなくなったりします。片頭痛持ちの患者さんがバセドー病になった場合は、脳の代謝も亢進するあまり、以前よりも激しい痛みを伴う片頭痛が起きることがあります。
次に「橋本病」。これはバセドー病とは逆で、甲状腺機能が低下することで甲状腺ホルモンの分泌も低下してしまう疾患です。こちらも人により症状はさまざまですが、疲れやすくなり、体がむくむ、極端に寒がりになり食欲がなくなることも。