うつ病などの精神疾患でもないのに…急に怒りっぽくなった人に潜む病気

公開日: 更新日:

「そもそも多くの人は交通事故といったよほどひどい脳のダメージがなければ高次脳機能障害は発症しないと思い込んでいますが間違いです。人によっては軽い脳梗塞やちょっと頭を打った程度でも発症する場合もあります。中高年は注意すべき病気です」

 怒りっぽくなる病気は、ほかに低血糖や甲状腺の病気などがあるが、ぽっちゃり形の中高年は肝臓の病気も気をつけた方がいい。

「お酒やウイルス、脂肪肝などが原因で起きた肝臓の炎症を放置すると肝臓の細胞の破壊と再生が繰り返され、かさぶたのような硬い肝臓になります。これを肝硬変といいます。肝硬変になると肝機能が低下したり、肝臓を迂回する血液の流れ(シャント)ができたりして、さまざまな合併症が現れます。シャントができて肝臓を迂回すると解毒が不十分になって血液中のアンモニアが増加。それが脳に届くことで肝性脳症となるのです。肝性脳症にはさまざまな症状が現れますが、怒りっぽくなるのもそのひとつです」

 前頭側頭型認知症のひとつである「ピック病」も怒りっぽくなる病気だ。

「この病気は、40~60代の比較的若い世代が発症する『初老期認知症』の代表的疾患です。その主な症状は、笑っていたが突然泣き出してしまうなど、情緒が病的に不安定になる情緒障害や、温和だった人が突然怒りっぽくなるなどの人格障害、相手の話を聞かず一方的にしゃべるといった自制力低下などがあります」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 4

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  5. 5

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  1. 6

    巨人が助っ人左腕ケイ争奪戦に殴り込み…メジャー含む“四つ巴”のマネーゲーム勃発へ

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    支持率8割超でも選挙に勝てない「高市バブル」の落とし穴…保守王国の首長選で大差ボロ負けの異常事態

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝