「熱中症」 絶対押さえたい対策法 梅雨の合間や明けがハイリスク
必要に応じて暑熱環境から逃げる
熱中症の予防は、「暑熱環境」と「脱水症」の2つをブロックすることに尽きる。
「体温コントロール不良による高体温症で熱中症を発症する。しかしそこへ至る前に2つの段階があります。暑い・蒸し暑いという暑熱環境があり、そこから大汗をかいて脱水症状を起こし、“水不足”から汗や皮膚からの放熱ができなくなって、高体温症になる。だから、暑熱環境から逃げる、そして脱水症を起こさないことが、熱中症予防になるのです」
■暑熱環境から逃げる
「今日は暑い」と思っていても、作業に没頭するうちに暑さを忘れてしまうことがある。また子供や認知機能の低下した高齢者では、暑さが意識の外にいってしまいがち。客観的な数値を参考に、必要に応じて暑熱環境から逃げるようにする。
「温度だけでなく湿度も熱中症のリスクに関係します。『蒸し+暑い』の程度を示す暑さ指数(WBGT)や熱中指数が環境省の『熱中症予防情報サイト』で公表されるので、それを確認する」
WBGTなどが高ければ、屋外での作業は極力避け、冷房の効いた屋内で過ごすようにしよう。
■脱水症を起こさない
こまめな水分補給が肝心だ。1日8回が目安。持病で水分摂取に制限がかかっている人は、事前に主治医にどれくらいまで水分摂取が可能かを、確認しておく。そして見落としがちなのが、食事から入ってくる水分だ。
「毎日の水分バランスとして、体重60キロの人では、体に入る水分が2500ミリリットル、出る水分が2500ミリリットルといわれています。体に入る水分のうち、食べ物から入るのが1000ミリリットルです。食事からいかに水分を取るか。夏野菜や果物は水分量が多い。かつ、熱中症予防に役立つビタミン、ミネラルも豊富です」
暑くて食欲がない……と食事を抜くと、それだけ体に入る水分が減る。1日3食の規則正しい食事を。どうしても無理なら、キウイ、スイカ、トマト、キュウリなどの果物や野菜を食べる。間食で補給するのもいい。
ポストコロナで迎える夏。思いっきり楽しむためにも、熱中症対策を万全に。