著者のコラム一覧
森大祐整形外科医

整形外科全般診療に長年携わる。米国トーマスジェファーソン大学で人工肩関節の臨床研究を行い、2000例超の肩関節手術を経験。現在は京都下鴨病院で肩関節や肘関節、スポーツ障害患者に診療を行う。サイトで整形外科疾患の情報を発信。

転倒でよく起こる「肩“鎖”関節脱臼」…肩関節脱臼と何が違う?

公開日: 更新日:

 今回はスポーツ外傷や転落・転倒などでよく起こる「肩鎖関節脱臼」という病気を説明します。

「肩関節脱臼」については、聞いたことがある人が多いでしょう。しかし、「肩“鎖”関節脱臼」は、肩関節脱臼とは違います。

 肩鎖関節は、鎖骨と肩甲骨をつなぐ関節です。関節を構成する靱帯(肩鎖靱帯や烏口鎖骨靱帯)が損傷し、断裂することで、鎖骨の先っぽである「遠位端」という部分が、「肩峰内側端」から脱臼します(イラスト=森先生提供)。

 肩関節脱臼の場合、脱臼直後はもちろん、時間が経っても痛いまま。「肩が上がらない」「死ぬほど痛い」と訴える患者さんが多く、治療を受けようと受診され、すぐに脱臼は整復されます。

 一方、肩鎖関節は、時間が経つにつれ痛みが軽くなり、やがて脱臼前と同様に肩を動かせるようになります。そのことが周知されてきたのか、患者さんは肩鎖関節脱臼と診断された後は、病院に通院しなくなってしまう、という方も珍しくありません。

 では、末永く大丈夫であるのか。そのことを次回詳しく述べたいと思います。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…