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森大祐整形外科医

整形外科全般診療に長年携わる。米国トーマスジェファーソン大学で人工肩関節の臨床研究を行い、2000例超の肩関節手術を経験。現在は京都下鴨病院で肩関節や肘関節、スポーツ障害患者に診療を行う。サイトで整形外科疾患の情報を発信。

肩関節の痛みに「ステロイド」と「ヒアルロン酸」はどちらが有効?

公開日: 更新日:

 五十肩の経過は人により、まちまちです。中には、それほどひどくならず、症状が軽減していく方もいるでしょう。

 しかし、次の4項目に1つでも該当するようなら、そのうち痛みが激化し、夜も眠れなくなる可能性が高い。なるべく早く治療を開始した方がいいといえます。

①夜間に痛む 

②腕が上がらない 

③小さな「前へならえ」をした状態で腕が外側に開かない

④昼間何もしないでいる時もズキズキ痛む

 こういった症状を訴えて来院する方がいたら、肩関節を専門に診る整形外科医であれば、肩の組織に炎症が起こっていると診断します。

 肩関節の炎症を抑えるためには、消炎と痛みを鎮める注射を肩関節内に打ちこみます。そしてその注射はステロイドを含むことが有効です。

 ステロイド注射に抵抗があるからか、「ヒアルロン酸注射ではだめですか?」と言う方がよくいます。ヒアルロン酸は、消炎効果や、組織の柔軟性をアップさせる効果などがあります。しかし、肩の炎症を抑える点については、ステロイドに比べると大きく劣っています。

 ステロイドは肩関節内へ注射しても全身への影響は少ない。すなわちデメリット(副作用)よりメリットの方が大きい。

 強い肩の痛みがある場合には、ステロイド注射はどうか、主治医の先生と相談してください。

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