アルツハイマー病治療最前線 発症前からの薬投与で認知機能低下を抑える

公開日: 更新日:

 次回も、アルツハイマー病治療の最前線をお届けする。

◆新薬開発の行方

 世界中で注目されているアルツハイマー病新薬「レカネマブ」。早ければ年内には治療現場で使われる見通しだ。

 アルツハイマー病は、「アミロイドβ蓄積・凝集→タウタンパク質蓄積・凝集→神経細胞死滅→アルツハイマー病発症」という流れを20~30年かけてたどる。従来のアルツハイマー病薬は、発症の前段階である「神経細胞死滅」後の対応を目的としたものだった。

 一方、今開発・研究が行われている薬の大半は、発症に至る“上流”である「アミロイドβ蓄積」に対応。レカネマブの臨床試験では、脳内の60%のアミロイドβが減少、認知機能低下は27%抑制された。

 これは、認知症症状が軽症の患者と、認知症の前段階MCI(軽度認知障害)を対象にした臨床試験の結果だが、現在、MCIより前の「プレクリニカル期」にレカネマブを投与する研究(AHEAD研究)も行われている。また、レカネマブとは別の薬、ソラネズマブ、ドナネマブでも、プレクリニカル期から投与の研究が実施されている(ソラネズマブは今年3月に結果が発表、ドナネマブは継続中)。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  3. 3

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  4. 4

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  5. 5

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  1. 6

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  2. 7

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  3. 8

    維新のちょろまかし「国保逃れ」疑惑が早くも炎上急拡大! 地方議会でも糾弾や追及の動き

  4. 9

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  5. 10

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方