若年性認知症の介護者が高齢の親の場合に生じる問題は?

公開日: 更新日:

 自分たちだけで悩まないためにも、全国若年認知症家族会・支援者連絡協議会など、若年性認知症を専門とする団体に連絡し、近くの家族会を紹介してもらうといいでしょう。そこで他の介護者とわが子の認知症の現状や悩みをオープンにすると、他の介護者が実際に有効だった症状への対応法などを共有してくれると思います。

 本人にとっても有益です。認知症の発症により社会参加の頻度が減少し、自宅で過ごす時間が増えていくと症状を悪化させます。家族会などで当事者同士が会話をしたりレクリエーションなどの社会的活動を行うと、気持ちが落ち着いて徘徊などの頻度を減らす可能性が高いので、積極的に参加することをお勧めします。

 また、親は自分が亡くなった後のわが子の生活を考えて、かかりつけ医に今後の症状の進行や予後について聞いておき、心配であれば成年後見制度や民事信託の利用を検討するのもいいでしょう。

 さらに、万が一に備えて早めに地域包括支援センターや若年性認知症支援コーディネーターに相談し、事前に介護に関する希望(施設入所などのついのすみか)を伝えておくといいでしょう。

▽宮永和夫(みやなが・かずお)1975年群馬大学医学部卒業、98年同大学保健管理センター助教授、07年南魚沼市立ゆきぐに大和病院院長を経て、22年南魚沼市立ゆきぐに大和病院認知症疾患医療センター長を務める。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘