便秘の解消には食物繊維と酸化マグネシウムの摂取が効果的
「便秘」は生活の質を低下させるだけでなく、寿命にも関係する病気といわれている。その便秘の解消に役立つとされるのがマグネシウムだ。生体内で約50~60%がリン酸塩や炭酸塩として骨に沈着、残り約40%は筋肉や脳、神経に存在し、約300種類以上の酵素の働きを助けているといわれる。エネルギーの産生に関わり、栄養素の合成・分解過程のほか、遺伝情報の発現、神経伝達などにも関与している。さらには、血管を拡張させて血圧を下げたり、血小板の凝縮を抑えて血栓を作りにくくしたりする働きもある。
日本人の食事摂取基準2020によると、その推奨量は、30~64歳男性で370ミリグラム、同女性で290ミリグラム、65~74歳男性で350ミリグラム、同女性で280ミリグラムとなっている。ところが、「国民健康・栄養調査」(令和元年)ではマグネシウムの1日の摂取量の平均は247ミリグラムと不足気味。慢性的に不足すると、動悸、不整脈、神経過敏、抑うつ症、虚血性心疾患、動脈硬化症などのリスクが高まることがわかっている。
その原因のひとつに藻類、魚介類、穀類、野菜類、豆腐など、マグネシウムを多く含む食品を食の欧米化により食べる機会が少なくなっていることが挙げられる。