離れて暮らす認知症の親の服薬管理はどうすべき?
高齢になるにつれ、処方される薬の種類が増えていきます。実際、厚労省によると、75歳以上の患者さんの4割は、5種類以上の薬を処方されているといわれており、薬の飲む種類、量や回数が多いほど間違いが起こりやすくなります。特に認知症の患者さんでは記憶力の低下から薬を飲み忘れたり、反対に服薬したことを忘れて重複して飲むなどの飲み間違いが生じやすくなり、それを防ぐための「服薬管理」が大切となってきます。
例えば、アルツハイマー型認知症があり睡眠薬を服用中の80代の患者さんは、布団に入ってもなかなか寝付けないのは睡眠薬を飲んでいないからだと思い込んで、何度も飲んでしまったのです。睡眠薬には筋弛緩作用もあるので、用量を守らないと次の日にも眠気やふらつきなどが続いて転倒するリスクが高くなります。
ほかにも、認知症で脳梗塞の既往歴がある方が血液をサラサラにする抗凝固薬を飲み忘れると、脳梗塞の再発率が高くなったり、糖尿病の患者さんが経口血糖降下薬を誤って重複して飲んでしまうと、薬が効きすぎて低血糖になり意識障害を起こしやすくなる危険があります。