老親の「多剤併用問題」対策のポイント…薬5種類以上で転倒リスクが増える

公開日: 更新日:

 高齢者の多剤併用が問題なのは、薬剤費の増大もさることながら、薬剤相互作用、飲み忘れや飲み間違いなどから、薬物有害事象のリスクが増えることだ。

「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」では、「1種類でも服用回数や1回の服用錠数が多ければ影響は大」とし、「6種類以上で薬物有害事象のリスクは特に増加」「5種類以上で転倒の発生率が高かった」と記載されている。

 多剤併用の問題点に気づいたきっかけを語るのは、東京・大田区を中心に在宅療養支援を行う「たかせクリニック」の高瀬義昌理事長。

パーキンソン病では、進行に伴い咀嚼能力が落ち、薬を飲めなくなってくる。その中には、かえって意識がはっきりし、調子が良くなる方がいるのです。次第に薬の量に問題があるのではないかと考え始めました」

 調べるにつれ、次のような背景が見えてきた。

 それは、「イライラする、食欲がないなど医師に不調を訴える」→「ドグマチールという薬を出される」→「薬の副作用であるふらつき、手の震え、下肢のだるさ、すり足、歩幅が狭くなるといったパーキンソン病で見られる症状が出てくる」→「病院でパーキンソン病と診断され、薬が処方される」→「薬の副作用で認知機能低下。病院で認知症と診断され、薬が処方される」──。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    俳優・山口馬木也さん「藤田まことさんは『飲め、飲め』と息子のようにかわいがってくれた」

  2. 2

    前代未聞の壮絶不倫・当事者のひとりがまたも“謎の欠場”…関係者が語った「心配な変化」とは???

  3. 3

    テレ朝ナスD“経費横領&パワハラ処分”に「見せしめ」の声も…家族団らん投稿の美人料理家妻に同情集まる

  4. 4

    自信なくされたら困るから? 巨人・田中将大がカブス戦登板「緊急回避」の裏側

  5. 5

    東原亜希の“黒帯バスローブ密会”乗り越えた「許す力」は佐々木希以上? 経済的自立も目指す強心臓とたくましさ

  1. 6

    料理研究家の森崎友紀 “本業”専念も恋愛は「年も年なので」

  2. 7

    兵庫県パワハラ知事に残った選択肢は「議会解散」のみ…多数派工作で延命図るか?味方は“情報漏洩3人組”のみ

  3. 8

    あす旧統一教会に解散命令か? N国党に急接近の不気味、タダでは転ばない悪あがき

  4. 9

    巨人の“アキレス腱”は絶対的セットアッパーが使えないこと…新助っ人キャベッジで外国人枠「満員」

  5. 10

    佐々木希が「芸能人格付けチェック」で"地雷キャラ"といじられ…夫・渡部建を捨てないもう1つの理由