離れて暮らす認知症の親の服薬管理はどうすべき?
薬は逆から読むと「リスク」というように、決められた量や回数などを間違えると大変危険なものなのです。
そういった認知症患者さんに対して有効な対策が、薬剤師による「居宅療養管理指導」です。
通常、病院で処方された薬はご自身で薬局に行き受け取りますが、認知症かつ独居の場合、自宅で自己管理するのが難しいことから、居宅療養管理指導では、薬剤師が直接患者さんの自宅を訪問して残薬の有無など服薬状況を確認し、他科を受診していれば処方箋を一元的に管理して自宅に届けたり、薬の一包化を行います。その際、管理しやすいように1カ月分ではなく1週間分などに小分けにしてお薬カレンダーにセットしています。
また、嚥下機能が低下している患者さんでは、錠剤をうまくのみ込めなかったり、気管支に入ると誤嚥性肺炎を発症する危険性が高くなります。居宅療養管理指導に伺った際、飲みづらさがないか確認し、誤嚥の可能性があれば、それを防ぐために錠剤を粉砕したり、液状シロップ剤への変更を医師に提案しています。
服薬の問題は、ときに命に関わります。飲み忘れや重複があれば、担当のケアマネに相談し、居宅療養管理指導を行う薬剤師を紹介してもらうとよいでしょう。