体重減少は消化器のがんを疑え 直近2年10%以上減ならリスク37%増
体重の減少はがんを疑う兆候として知られています。これは医学的にもそうですし、よく有名人が急にやせると、「ひょっとしたらがんじゃないのか」というようなウワサがすぐに広がるように、一般の人にも広く知られている考えです。
しかし、今は短期集中的なダイエットをして、急激にやせる人も少なくありませんし、体重減少を起こす病気はがんだけではありません。たとえば、甲状腺の機能亢進症や糖尿病などの病気でも、急激に体重が減ることはあります。また、ストレスも激やせの原因となります。
それでは、実際に体重が急に減少した場合、どの程度がんを疑うべきなのでしょうか?
今年の米国医師会の医学誌に、それについての疫学調査の結果が報告されています。医療従事者を対象とした、大規模な健康調査のデータを分析したところ、直近の2年間に10%を超えて体重が減っていると、その後1年以内にがんが診断されるリスクが、37%明確に増加していました。特にダイエットなどをしていないのに体重が減ることは、よりその危険を高めていて、がんの中でも上部消化器(食道、胃、胆管、肝臓、膵臓)由来のがんのリスクが高くなっていました。
ダイエットをしていないのに、短期間で体重の10%を超える減少があった時には、胃がんなどの可能性を疑った方がいいかもしれません。