著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

体重減少は消化器のがんを疑え 直近2年10%以上減ならリスク37%増

公開日: 更新日:

 体重の減少はがんを疑う兆候として知られています。これは医学的にもそうですし、よく有名人が急にやせると、「ひょっとしたらがんじゃないのか」というようなウワサがすぐに広がるように、一般の人にも広く知られている考えです。

 しかし、今は短期集中的なダイエットをして、急激にやせる人も少なくありませんし、体重減少を起こす病気はがんだけではありません。たとえば、甲状腺の機能亢進症や糖尿病などの病気でも、急激に体重が減ることはあります。また、ストレスも激やせの原因となります。

 それでは、実際に体重が急に減少した場合、どの程度がんを疑うべきなのでしょうか?

 今年の米国医師会の医学誌に、それについての疫学調査の結果が報告されています。医療従事者を対象とした、大規模な健康調査のデータを分析したところ、直近の2年間に10%を超えて体重が減っていると、その後1年以内にがんが診断されるリスクが、37%明確に増加していました。特にダイエットなどをしていないのに体重が減ることは、よりその危険を高めていて、がんの中でも上部消化器(食道、胃、胆管、肝臓、膵臓)由来のがんのリスクが高くなっていました。

 ダイエットをしていないのに、短期間で体重の10%を超える減少があった時には、胃がんなどの可能性を疑った方がいいかもしれません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」