白髪を科学する(3)抗白髪製品…カラートリートメントとの違いは?

公開日: 更新日:

「投薬や治療の副次的な作用で偶発的に白髪が元の色に戻ったという事例は、医師らの症例報告だけで30件以上あります。白髪の改善は理論上不可能ではありません」

 こう言うのは資生堂リサーチセンター(研究所)で主に薄毛、白髪の研究に携わってきた日本毛髪科学協会役員の出田立郎氏だ。

 そもそも髪の毛の色の本体はメラニン色素で、アミノ酸の一種であるチロシンを原料にして色素細胞(メラノサイト)内で合成されメラニン顆粒となり、それが髪の毛の中に供給されている。

 ただし、ヒトの毛髪は「成長期」「退行期」「休止期」のヘアサイクルがあり、抜け替わる。色素細胞もそれに同調し、退行期にはメラニン合成はストップし、メラノサイトの数は激減。次の成長期に入ると、毛包の近くのバルジと呼ばれる場所に分布している色素幹細胞からメラノサイトの前駆細胞であるTA(Transient Amplifying)細胞が産出され、それが新たに毛根の先の毛乳頭周辺に遊走、定着してメラノサイトとなり、髪の毛にメラニン顆粒を供給する。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘