会話時間を増やすと肺炎予防につながる? 日本人を対象にした調査結果が学術誌で報告
加齢に伴い、食べ物を胃の中にのみ込む嚥下の機能が低下します。嚥下が適切に行われないために、食べ物が胃の中ではなく、肺に通じる気管に入ってしまうことを「誤嚥」と呼びます。このような状態が繰り返されると、誤嚥性肺炎といわれる肺炎が引き起こされ、命に関わることもあります。
過去に実施された研究によれば、運動や会話をしている時間の長さや、睡眠習慣などの要因と、嚥下機能の関連性が報告されていました。しかし、嚥下機能の低下をもたらす年齢以外の原因についてはよく分かっていませんでした。そんな中、高齢者の生活習慣と嚥下機能の関連性を検討した研究論文が、「キュリアス」という医学誌に2023年10月29日付で掲載されました。
この研究では、日本の医師向け会員サイトに登録している50~60代の医師310人が対象となっています。研究参加者は、オンライン上で嚥下機能の評価と、会話時間、飲酒回数、睡眠時間、喫煙状況などの生活習慣について調査が行われ、嚥下機能と生活習慣の関連性が検討されました。なお、嚥下機能は、30秒の間にできるだけ多く唾液をのみ込み、1~12回だった人は嚥下機能が低いグループ、13~20回だった人は嚥下機能が高いグループに分類されました。