年金だけで入所できる老人ホームはある? 公的施設を選ぶ
月額利用料は平均約8万~15万円
要介護度が低い方でも利用できるのが「介護老人保健施設(老健)」です。老健は、要介護1以上の方を対象にした自宅復帰を目指すための介護保険施設で、医師による医学的な管理の下、リハビリテーションを中心とした医療・介護サービスが受けられます。
月額利用料は居室タイプや収入、要介護度によって異なりますが、医療ケアやリハビリが必要な分、平均約8万~15万円。特養に比べて費用が若干高く設定されています。
老健はあくまでも在宅復帰が目標なため、3カ月ごとに入居継続に関する審査が行われ、身体的な問題がないと判断されれば退所となります。
ただ、3カ月間のリハビリで身体機能が向上するケースは少なく、実際には2年以上入居されている方も多くいらっしゃいます。
特養や老健に入居を希望する場合、所得や預貯金に応じて部屋代と食事代が補填される「介護保険負担限度額認定制度」を利用すると、当初の想定より費用を抑えられるケースもあります。金銭的理由で施設入居を諦める前に、担当のケアマネジャーに相談してみるといいでしょう。
▽清水淳子(しみず・あつこ) 施設入居相談員歴15年。前職は金融関係で、顧客のライフプランニングを担当。認知症ケア専門士の資格も持ち、顧客ニーズに沿った施設選びを行う。