若年性認知症でも仕事を続けたい…どこに相談すればいい?
若年性認知症と診断された方や、そのご家族が抱える悩みに多いのが「仕事の継続」です。65歳未満の働き盛りに発症するため、仕事を辞めると収入がなくなり家のローンや子供の学費など、家計に大きなダメージをもたらします。実際、厚労省が2020年に発表した調査によると、若年性認知症の発症により、収入が減少した人は全体の6割を超え、4割は家計の苦しさを自覚しています。
若年性認知症は、高齢で発症する認知症と同様に、物忘れなど認知機能の低下や物事の手順が分からなくなる実行機能障害が見られます。そのため、新しい業務の内容を覚えたり、これまで何年も行ってきた業務であっても、手順が分からなくなり作業の効率が低下しやすくなるのです。
仕事のミスが目立つようになると、職場の上司や同僚から「どこまで仕事をフォローすればいいのか」「本人のサポートに時間を取られ自分の業務に手が回らない」といった声が上がり、本人が仕事を続けたいと思っていても、職場に居づらさを感じて休職や退職に追い込まれるケースが少なくありません。前出の調査では若年性認知症の発症時に就労していた人のうち、約7割は診断後に退職していたと報告されています。