著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

まぜるな危険…塩素系洗剤と酸性の食品で発生する事故に注意

公開日: 更新日:

 今月2日、広島市内のクリニックで塩素ガスが発生し、28人が入院する事故が起こりました。大きなニュースとして取り扱われていたので、覚えている方も多いのではないでしょうか。

 今回の事故は塩素系の次亜塩素酸ナトリウムと酸性の酢酸が混ざったことにより、塩素ガスが発生したとみられています。

 じつはこの組み合わせによる事故は、家庭でもあり得ることなので改めて注意が必要です。

 塩素系の洗剤と酸性の洗剤には、双方に「まぜるな危険」と書かれています。混ざってしまうと人体に有害な塩素ガスが発生してしまうのです。たとえば、塩素系の洗剤としてはハイターなどの漂白剤やカビ取り剤、酸性の洗剤としては、トイレ用洗剤のほかにキッチンで使用される弱酸性の食器用洗剤なども含まれます。

 これだけではなく、塩素系の洗剤は酸性の食品との組み合わせにも要注意です。たとえば、レモンなどの柑橘類にはクエン酸が含まれていますし、お酢も該当します。台所の三角コーナーや排水口のゴミ受けにレモンの皮を残したままハイターを使用するケースは、日常的に起こり得る危険な事例です。

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