著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

【ノロウイルス】嘔吐物の処理は次亜塩素酸ナトリウム溶液で対応

公開日: 更新日:

 ご家族がノロウイルスに感染された場合、嘔吐物の処理には注意が必要です。嘔吐物の中には大量のウイルスが存在し、感染源となるからです。

 今回は嘔吐物などの処理方法について説明します。まず、ノロウイルスに有効な0.1%(1000ppm)次亜塩素酸ナトリウム溶液を作ります。ハイターやミルトンといった次亜塩素酸ナトリウムを含む家庭用の塩素系漂白剤を希釈して作ることができますが、希釈方法はそれぞれの製品の濃度などによって異なります。各社ホームページなどで事前に確認しておくとよいでしょう。

 1回の汚物処理で、作製した0.1%溶液を2リットルくらい使うことになるので、たとえば原液の次亜塩素酸ナトリウム濃度が1%の場合、原液200ミリリットルを水1800ミリリットルで希釈し、全量2リットルとして使用します。次亜塩素酸ナトリウムは光などで分解しやすく、希釈した溶液を長期間放置すると効果も薄れてしまうため、作った0.1%溶液は1回使いきりで作り置きは厳禁です。また、作製した溶液をペットボトルに入れておく場合、誤飲事故にも注意が必要です。

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