在宅医療がめざす理想…療養に関してだけでなく生活すべてを丸ごと面倒みる
「酸素ボンベを先生の指示によって追加で注文いただけませんか?」
この患者さんは電気料金の支払いが間に合わず電気が止まった状態で生活をしていました。在宅酸素を行っているのですが、電気を必要とする機械式の酸素吸入機は使えません。しかし電気を使わない酸素ボンベなら対応できます。幸いなことに、緊急用の酸素ボンベがご自宅に2本ありました。電気が回復するまで2~3日。酸素ボンベを追加すればなんとかなるという、訪問看護師さんの判断です。
一般的に、「外を歩くときは手押し車で持ち運べる酸素を使って、何リットルで流してください」とか、「酸素飽和度90%切ったら何リットル流してください」といったように、どのような時にどのくらい酸素をつけるかは医師の指示で決まります。
幸いこの患者さんは寝ているとき使わなくて大丈夫ということで、日中につらくなったらボンベを使用いただくことになりました。
このように経済状況や、やむを得ない特殊な状況をも考慮する必要があり、時に難しい判断も迫られます。