著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

在宅医療がめざす理想…療養に関してだけでなく生活すべてを丸ごと面倒みる

公開日: 更新日:

「酸素ボンベを先生の指示によって追加で注文いただけませんか?」

 この患者さんは電気料金の支払いが間に合わず電気が止まった状態で生活をしていました。在宅酸素を行っているのですが、電気を必要とする機械式の酸素吸入機は使えません。しかし電気を使わない酸素ボンベなら対応できます。幸いなことに、緊急用の酸素ボンベがご自宅に2本ありました。電気が回復するまで2~3日。酸素ボンベを追加すればなんとかなるという、訪問看護師さんの判断です。

 一般的に、「外を歩くときは手押し車で持ち運べる酸素を使って、何リットルで流してください」とか、「酸素飽和度90%切ったら何リットル流してください」といったように、どのような時にどのくらい酸素をつけるかは医師の指示で決まります。

 幸いこの患者さんは寝ているとき使わなくて大丈夫ということで、日中につらくなったらボンベを使用いただくことになりました。

 このように経済状況や、やむを得ない特殊な状況をも考慮する必要があり、時に難しい判断も迫られます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    前田健太「ドジャース入り」で大谷との共闘に現実味 日本復帰より「節目の10年」優先か

  2. 2

    井桁弘恵ショートカットで“山之内すず化”が加速! 「そっくり問題」いよいよ待ったナシ

  3. 3

    大阪万博は開幕1カ月を待たずトラブル続出…場当たり説明でGW後半の盛り上げムードに水を差す協会の大罪

  4. 4

    巨人阿部監督はなぜ田中将大にだけ甘いのか…2試合連続炎上でさすがに二軍調整も

  5. 5

    小田和正「77歳の現役力」の凄み…現役最年長アーティストが守り続ける“プロ意識”

  1. 6

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  2. 7

    ダウンタウン復帰が外部資金でコンテンツ配信のナゼ…松本人志に浮上した疑惑の顛末

  3. 8

    斎藤元彦・兵庫県知事が頑迷に貫く「治外法権」…公益通報を巡る国の勧告もガン無視

  4. 9

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  5. 10

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???