在宅医療を受けている患者の容態が急変…救急車を呼ぶか否か
在宅医療を行う当院では、患者さんを自宅で最期まで看取るということを重視しています。
自宅で患者さんの容体が悪くなり、焦ったご家族から電話をいただくことがありますが、その場合まずは落ち着いていただき、慌てて救急搬送を要請しないようにとお伝えしています。
患者さんの容体が急変する多くは緊急性がなく、高齢者に多い肺炎に脳出血や腸閉塞などといった、自宅で対処できるものがほとんどだからです。
仮に熱があるというご連絡が来た時でも、すぐに往診し点滴などで対処すれば、肺炎であった場合でも悪化させることなく、これまで通り自宅で過ごすことができます。
どうしても心配で救急車を呼びたくなるという、その気持ちは理解できますが、救急搬送されると大概そのまま入院となり、自宅に戻るタイミングを逃し、病院のベッドで最期を迎えるということになりかねないのです。
「退院した患者さんが救急搬送され、検査で肺炎がわかり、1週間入院することになったんです。その患者さんを担当していた訪問診療の先生が、もう少しまめにケアをしていたならばこの入院は防げたはずです……」