オザキフラワーパーク 尾崎明弘社長(1)買える植物園の異名を持つ巨大園芸店
目下、好調そのものの同社ではあるが、2012年当時は園芸業界全体の消費低迷や前年に起きた東日本大震災の影響によって、売り上げ不振にあえいでいた。
そんな中、観葉植物を多く仕入れ過ぎてしまい、置き場に困るという出来事があった。尾崎は苦肉の策で、いつものような整然と陳列するやり方をやめ、店内の一角にギュッとまとめたグリーンコーナーをつくった。
すると、そこにやってきた女の子が母親に言った。
「すごい、ジャングルみたい。入ってみようよ」
見やすく選びやすいようにきれいに並べていた時には素通りする客が多かったのに、並べ方を変えただけで、思いがけずお客の目を引くことになったのだ。
「若い人たちの直感に訴えるような体験型の売り場をつくっていけば、もっと振り向いてもらえるかもしれない」
尾崎はジャングル風の売り場を拡大していくことにする。
しかし、社内は「社長が訳の分からないことを始めた」と、大ブーイングだった。