100時間カレー 米田周平社長(4)「プチ贅沢感」でフードコートに出店し次々と成功
海外進出するためHISと業務提携
その一方で、2022年6月には神田の路面店をリニューアルして「HUNGRY CURRY BY 100時間カレー」をオープン。ニンニクたっぷりのソースで炒めた豚肉のトッピングなど、価格を抑えながらもパンチ力のあるメニューを揃えた、ガッツリ食べたい男性に向けたセカンドラインである。
「新しいルーの展開も始めています。ハヤシライスのテイストを取り入れた従来の黒いルーとは違い、スパイスの風味を強くした少しクセになるルーです。100時間カレーの軸はそのままに、より多くのお客さまに楽しんでいただけるメニューを提供したいと思っています」
そう話す米田氏がもうひとつ取り組んでいるのが海外進出だ。人口増加が見込まれる東南アジアなどにビジネス拡大の可能性を感じ、2022年9月にはエイチ・アイ・エスと業務提携契約を締結。その国に合わせたメニューの開発を進めている。
■国内外で100店舗を目指す
「今一番の目標は国内外合わせて100店舗にすることです。市場を変えるには認知度が重要で、そのためにSNS等でのPRや宅配にも力を入れていますが、やはり店舗数が大事。商業施設への出店でブランド力がついたら路面店も増やしていく予定です」
多店舗展開には従業員教育などの課題があるが、アークスでは東日本と西日本にエリア本部を設け、各エリアに飲食に強い大企業と業務提携を結びFC展開を行っている。また宅配部門も宅配に強い飲食企業と業務を提携している。
「自社では追い付かないところは実績を持つ企業の力をお借りして質の維持向上に努めています。たとえ勢いがあっても無理に拡大せず、今までの経験やご縁を土台にコツコツと積み重ねていくことが大切。そうやって『また行きたい』と喜んでくださるお客さまを地道に増やしていくことが、『外でカレーを食べよう』という文化の定着につながっていくと思うのです」
(ジャーナリスト・中川明紀)