鈴木良平CL観戦記 Rマドリード優勝は強烈なアンチテーゼ
鈴木良平<ポルトガル発特別寄稿>
スカパー!がライブ中継したCL決勝のレアルとアトレチコとのマドリード・ダービーの解説でポルトガルの地を訪れた。季節外れの寒さには閉口させられたが、90+3分のレアルの劇的同点ゴール、延長後半5分のFWベイルの見事な決勝ゴールなどドラマチックな展開を十二分に堪能することができた。
CLの決勝は、近代サッカーの一大潮流である「ポゼッションサッカー」に対する強烈なアンチテーゼとなった。
パスを細かくつないで高いボール支配率で相手を圧倒する――。そのポゼッションサッカーの代名詞がスペイン代表であり、スペインの名門バルセロナだった。
スペイン代表は08年と12年のユーロ、そして10年南アW杯を制して主要大会3連覇中だ。CL直近10大会で3度優勝のバルセロナが偉大なクラブであることは、改めて言うまでもないだろう。
■ポゼッションサッカーの優位性は依然存在
しかし、CLの決勝はポゼッションサッカーとは、対極の「堅守から高速カウンターでゴールを奪って逃げ切る」スタイルで勝ち上がったクラブ同士の対戦となった。