鈴木良平CL観戦記 Rマドリード優勝は強烈なアンチテーゼ
ちなみにレアルはCL準決勝でバルセロナ前監督グアルディオラ率いるバイエルン・ミュンヘンを2試合合計5-0で圧倒している。アトレチコはCL準々決勝でバルセロナを2試合合計2-1で下し、今季国内リーグも追いすがるバルセロナとの争いを制して12季ぶりの優勝を飾った。
果たして「堅守から高速カウンター」が「ポゼッションサッカー」に取って代わって一大トレンドになったのか?
少なくとも言えることは「堅守からボールを奪って」「相手守備網が整う前にスピーディーにカウンターを仕掛ける」サッカーの《効率の良さ》を世界中の指導者が実感し、各国代表や有力クラブに大きな影響を与えたことは間違いない。
しかしながら、ポゼッションサッカーがもろさを露呈し、その限界性が明確になった――と断じるのは時期尚早である。
ボールを保持している限り、対戦相手は攻撃しようがない。ボールを回されているうちに疲労困憊(こんぱい)し、後半途中からカウンターを仕掛けたくても足が動かなくなってしまう。ポゼッションサッカーの優位性は、依然として存在している。