「全体練習は無意味」 仁志敏久氏がキャンプのあり方に疑問符
■キャンプ期間が1カ月というのも長すぎる
現役時代の経験をふまえて、評論家の仁志敏久氏はこう言う。
「そもそも春のキャンプというのは、レギュラークラスの選手にとっては調整の場です。1カ月のキャンプで技術の向上に取り組もうという意識も正直、ありません。若手にとってはアピールの場になるという意見はあるかもしれませんが、実はこれも疑問です。首脳陣が『横一線。レギュラー白紙』と言うのはタテマエ。評価は結局、実戦で判断される。プロだから当然です。いかに実戦で結果を出すか。そのプロセスが主力と若手では違って当たり前。それを考えれば、2月1日から全員一緒にキャンプに入り、全体練習で同じメニューをこなすというのはナンセンスです。朝から一緒にランニング、キャッチボールをしてフリー打撃や投球練習をするという画一的なメニューに時間を割く必要はないと思います」
続けてこう言う。
「今の選手はキャンプ前の自主トレで、相当にハードで、考えた練習をやっています。キャンプの第1クール、第2クール程度の練習量、メニューなら個人で十分にこなせます。全体練習は練習中の待ち時間が多く、ただ突っ立ってることも少なくありません。なにより効率が悪い。全員で確認しなければいけないのは投内連係やサインプレーなど数少ないわけですから、そもそも1カ月間のキャンプ期間というのも長すぎます。米国のように2月中旬からキャンプインして調整と確認作業をし、より多くの実戦の機会を与える。若手にとってはその方がよっぽど有意義ではないでしょうか」
プロ野球選手の意識が変化している以上、キャンプの形態や中身も変えてしかるべき。
十年一日のごとく、若手もベテランも外国人選手もひとくくりにして1カ月間も同じ練習を強いるのはバカげた話なのだ。