【新連載】星野監督は講演会でいきなり「おまえはクソ生意気らしいから野村さんと全然あかんかったんやろ!」
聴衆がどっと沸いた。
2001年12月に阪神監督に就任したばかりの星野仙一さんの講演会に、僕と数人の阪神の選手が呼ばれた。そこで壇上の星野監督が突然、こう言ったのだ。
「今岡、おまえはクソ生意気らしいな。だから、野村さん(克也=前監督)と全然あかんかったんやろ!」
闘将はいたずらっぽく笑いながら僕を見ている。
野村前監督は僕について「やる気があるのか、ないのかわからん」「注意するとやる気のないプレーをする」「チームのことを考えずに自分の打率しか計算していないのと違うか」などとマスコミを通じて批判していた。「今岡はノムさんに嫌われている」というのは、ファンの間で有名だった。もちろん、それを知っている星野監督が場内を盛り上げようと言ったことだ。
「おまえ、何かあるやろ」
そう促されて上がった壇上で、僕はマイクを握りながらこう言った。
「ホントに何の実績もない僕の名前を全国区にしてくれて、野村監督には感謝しています!」