経営者が逃げれば紙クズ同然 「ゴルフ会員権」制度は崩壊寸前
このところ相次いでゴルフ場が潰れている。その昔、男子プロテスト会場にもなった下田CC(静岡)はコロコロと経営者が代わり、今年2月でコースは閉鎖。現在は電話もつながらない状態だ。ルーセントCC(新潟)はインターネット公売にかけられたが、入札者は現れず、コースは荒れ放題。またゴルフ場事業から撤退、閉鎖するコースもある。ひぐち時津CC(長崎)、滑石ゴルフ場(同)、月夜野CC(群馬)、ローズベイCC(同)はメガソーラー施設に姿を変えるという。
下田CCのように突然、経営者に逃げられたら、高いカネを出して会員権を購入したメンバーはどうなるのか。会員権業者がこう言う。
「下田CCに関しては、すでにプレーも会員権の売買もできない状態です。当然、会員権の値はつかず、売ろうにも売却できません。仮に経営危機に陥り、民事再生法の下でプレーできるコースであっても、クレジットカードは使えず、現金払いのみとなり、裁判所がその現金を差し押さえます。まずは債権者の話し合いが行われ、分捕り合戦が始まります。管財人を立てて債権者に資産を配分することになりますが、乗用カートや電磁誘導の設備投資をしたなど、債権額の大きい債権者から配分していきます。当然、資産には限りがありますので、メンバーに会員権の払い戻しは困難で、もう紙クズ同然です」