評論家も改善提言 プロ野球「育成制度」のいびつな現状
「余裕があるよなぁ」
2日に行われたソフトバンクの新入団発表について、セ球団のスカウトがこうつぶやいた。
ドラフト1位の高橋純平(県岐阜商)をはじめ、6人全員が高校生。ソフトバンクが育成重視で高校生を指名する編成方針は、近年の「慣例」となっている。冒頭のスカウトが言う。
「即戦力はFAや助っ人で補う考えがあるから、ドラフトでは高校生をどんどん指名できる。しかも、15年シーズンは育成選手を20人以上も抱え、三軍まで持っている。理想的ではあるけど、資金力がなければそんな芸当はできないよ」
単なるヤッカミだけではない。
現在、12球団で三軍制を敷いているのはソフトバンク、巨人、広島の3球団。広島は実質的にリハビリの場になっており、純粋に三軍選手を雇っているのは2球団だけ。育成選手は基本的に人数制限がないにもかかわらず、15年度に育成選手を10人以上抱えた球団はソフトバンク(20人)、巨人(13人)のみだった。