ソフトBは打線沈黙…4番柳田が眠ったままでは西武の二の舞
勝つも負けるも4番打者次第だ。
もっか1敗1分けのソフトバンクは、2試合で計10安打3得点と打線が沈黙。2戦目は初戦6タコの上林をスタメンから落として臨むも、結果にはつながらなかった。
西武黄金時代のエースだった工藤監督は、誰よりも短期決戦での戦い方を熟知している。現役時代の日本シリーズ出場14回は、上司である王球団会長と並んで球界タイ記録。さらに2015年と昨季は、指揮官として日本一を達成している。上林はもとより、西武とのCSでは12打数2安打とバットが湿っていた松田を3戦目から控えに回したように、判断に迷いがない。
自身もロッテ、西武で4度の日本シリーズ出場経験のある評論家の山崎裕之氏は、「短期決戦で調子の悪い選手を外すのは常套手段」とこう続ける。
「長いシーズンならともかく、日本シリーズでは選手の復調を待っているヒマはありませんからね。しかし、いくら不調でも外せない“格”を持った選手がいるのも事実。CSでソフトバンクに敗れた西武の秋山がまさにそうだった。CSでは20打数3安打。それでも実績があり、今季もシーズンを通して切り込み隊長として活躍した。誰が監督でもスタメン落ちはさせられないでしょう。ソフトバンクだと、4番の柳田がそうです。2試合で6打数1安打とサッパリですが、経験豊富な工藤監督でも、柳田だけは外すわけにはいきません」
30日から福岡に舞台を移した日本シリーズ。工藤監督は「地元に帰ってくると選手はのびのびできる」と話したが、柳田が眠ったままでは西武と同じ運命をたどることになりそうだ。