広島ドラ1森下136球プロ初勝利の裏に監督の親心と救援不安
満面の笑み、というわけにはいかなかった。
広島のドラ1右腕、森下暢仁(22=明大)が28日の中日戦でプロ初勝利。無失点のまま上がった九回のマウンドで1死から3点を失い、完封どころか、完投まで逃しただけに、「終わり方が悪いんですが、勝ててホッとしている。(完封を)したいと思ったけど、このような結果です」と、悔しさが先に立った。
試合は七回までに10―0と一方的な展開。森下には七回と九回に打順が回ってきたものの、佐々岡新監督は代打を送らずに、そのまま打席に立たせた。同じ背番号18を背負う新人右腕に、プロ初勝利を完封で飾らせてやろうという親心だったのだろうが、球数は136球に達し、九回2死からフランスアのリリーフを仰ぐことになった。
「森下のドラフト1位指名は佐々岡監督たっての希望で実現した。背番号も、自らが現役時代につけた『18』を継がせたいと球団に願い出たほどで、ことさら目をかけているのは事実です。ただ、プロ2試合目の新人を、しかも、コロナ禍で満足な調整ができなかった状況で、結果的に130球超も投げさせたのは、単なる親心だけではなく、リリーフ投手への不安があるのかもしれません」(地元マスコミ関係者)