デビューは7回無失点 広島ドラ1森下を見守った佐々岡監督
サヨナラ負けで白星はつかなかったが、能力は遺憾なく発揮した。21日、広島のドラフト1位・森下暢仁投手(22)がDeNA戦に先発。速球が自己最速タイの154キロをマークすれば、変化球もキレ、7回4安打無失点。8三振を奪う好投だった。
練習試合のオリックス戦で5回途中6失点、ソフトバンク戦は4回9失点とメロメロだった。明大時代から序盤に力んで自滅するケースも。メンタルに課題があるといわれていたものの、佐々岡新監督は練習試合の結果に目をつむり、開幕ローテに抜擢した。
広島OBは「この起用が、森下の能力を引き出すことにつながったのではないか。佐々岡体制になり、投手がよりノビノビと投げられる環境になった」と指摘する。野手出身の緒方前監督は投手の見切りが早く、ふがいない投球をした投手をベンチで公開説教したこともあった。投手はビクビクしながら投げていたという。まして森下はメンタルに課題がある。過度なプレッシャーを背負うことなく、ノビノビと投げられたことが好結果につながったというのだ。
佐々岡監督はこの森下に、前田健太のドジャース移籍以降、空き番になっていた背番号18を与えるべく、松田オーナーに直訴した。自身も現役時代につけていた番号だけに、思い入れも強いだろう。森下にとってはよき理解者であり、強力な後ろ盾を得たことがプラスに作用しているようなのだ。