著者のコラム一覧
岡邦行ルポライター

1949年、福島県南相馬市生まれ。ルポライター。第3回報知ドキュメント大賞受賞。著書に「伊勢湾台風―水害前線の村」など。3・11後は出身地・南相馬中心に原発禍の実態を取材し続けている。近著に「南相馬少年野球団」「大島鎌吉の東京オリンピック」

シマノレーシング監督はあの“日本航空123便”に乗っていた

公開日: 更新日:

 法大自転車競技部OBが先輩の山藤を語る。

「先輩は『秋田の田舎には信号がないため強くなった』なんて言っていたが、ひと言でいえば真面目人間。奥さんは喫茶店をやっていたが、親族の借金で精神的に参っていたと思う。私らOB会は、サラ金の連中が葬儀場まで来ていたため、香典は葬儀後に直接遺族に手渡した」

 39歳で逝った山藤浩三の通算獲得賞金額は、1億7818万円。だが、サラ金業者の取り立ては半端じゃなかった……。

 もうひとりのオリンピアン、辻昌憲の死はあまりにも不運だった。

 山藤が一家心中した翌85年8月12日。群馬県の御巣鷹山に墜落し、520人の犠牲者を出した、あの「大阪行き日本航空123便」に搭乗していたのだ。

 自転車競技の伝統校である、石川県の金沢高校を卒業し、中京大1年のときに東京オリンピック個人ロードレースに出場(途中棄権)。卒業後に大阪の大手自転車部品メーカーの島野工業(現シマノ)に入社し、27歳を迎えた73年に創設されたシマノレーシング初代監督に就任した。

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