著者のコラム一覧
岡邦行ルポライター

1949年、福島県南相馬市生まれ。ルポライター。第3回報知ドキュメント大賞受賞。著書に「伊勢湾台風―水害前線の村」など。3・11後は出身地・南相馬中心に原発禍の実態を取材し続けている。近著に「南相馬少年野球団」「大島鎌吉の東京オリンピック」

名監督・松平康隆さんはアイデアマンで名演出家でもあった

公開日: 更新日:

松平康隆さん(1964年東京五輪・男子バレー銅、メキシコ大会・銀、ミュンヘン大会・金 監督・コーチ)

 1964年東京オリンピックのバレーボール。“東洋の魔女”は金メダルに輝いたが、男子は銅メダル。そのためだろう、ファンやマスコミの注目度も低かった。

 あれから56年。銅メダリストの菅原貞敬は、80歳を迎える直前の1月、鎮魂の旅に出た。

「すでに監督の坂上光男さん、コーチだった松平康隆さんも天国に召されたし、12人の代表選手のうち半分の6人が死んでいる。猫田勝敏は胃がんで39歳の若さで、酒飲みの南将之は58歳でね。中村祐造は腎臓を悪くして68歳のときにお迎えがきた……。その点、私はいまだ日立リヴァーレ(Vリーグ)のアドバイザーとしてバレーに携わっている。これも亡くなった仲間がいたからこそ。お世話になった人のお墓参りは当然です」

 そう語る菅原は、まずは松平康隆の墓がある都下の多磨霊園に出向いた。松平が逝ったのは2011年12月31日。享年81。

 東京大会から4年後のメキシコ大会で銀メダル、さらにミュンヘン大会ではついに金メダル獲得。男子バレーを世界一に導いた監督・松平は、同時に“演出家”でもあった。こう言っている。

「テレビ放映の際に観客が少ないと、視聴者はしらける。だから、すべての観客をメインスタンドに移動させ、満杯であるかのように放映してもらう。バレー人気を高めるための作戦のひとつだね」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に