阪神のエース青柳晃洋に期待したい昨年のリベンジと贅沢な悩み
昨年の青柳もそうだった。前半戦の活躍を評価されて夏の東京五輪に出場した青柳だったが、その晴れ舞台では慣れないリリーフ起用などもあってか、満足いく結果を残せなかった。その後、ペナントレースに復帰するものの、前半戦のような絶好調とはいかず、先述の8月24日に10勝に達して以降、次の白星まで1カ月以上の月日を要した。その間、5試合に先発して0勝3敗、QSを記録したのも1試合だけだったから、あきらかに不調だったわけだ。
結局、昨年の青柳は後半戦にあまり白星が伸びず、13勝にとどまった。それでも最多勝と最高勝率の2冠に輝いたから、その失速も印象が薄れたように見える。しかし、昨年の阪神が終盤にヤクルトに逆転されて優勝を逃したことを思うと、あの青柳の失速は本当に痛かった。オールスター後の青柳はヤクルト戦に3試合先発しているが、そこで阪神は1勝しかできなかった(1敗1分け)。
だからこそ、今後の青柳について注目したいのは1年間ほぼ同じ調子で投げ切れるかどうか、つまり彼のスタミナ面である。今季は東京五輪もないことだし、願わくは昨年の失速を見事に挽回して後半戦も同じペースで勝ち続けてほしい。その結果、防御率1点台での15勝~20勝など、圧倒的な数字で投手タイトルを総なめしてほしい。