このままではマラソンのメダルは到底ムリ…来年の世界陸上東京大会は「史上最難関コース」に変えるべし
来年は東京で34年ぶりに陸上の世界選手権(9月13日~21日)が開催される。東京五輪も男女とも入賞(大迫傑6位、一山麻緒8位)止まりだった。コロナ禍で行われた異常な五輪から4年後、コース沿道を大観衆が埋め尽くす中、世界のランナーが駆け抜けるわけだが、日本陸連は母国開催だけに何としてもメダルが欲しい。
しかし、スピード時代のマラソンで日本選手がメダルを狙うなら、すでに発表されたコースでは厳しいのではないか。
国立競技場が発着で、まず競技場を出てから、多少の上り下りはあるものの、その後は平坦。東京ドームの横を通り、白山通りから神保町に向かい、そこからは1周約13キロの周回コースを2周する。秋葉原、日本橋、銀座、皇居など、都内の名所を巡ることになる
「暴論ではありますが…」と前出の関係者がいう。
「名所巡りより、市ヶ谷の坂や、かって東京マラソンで走っていた佃大橋など、とにかく急坂を何度も往復して、スピードが殺される難関コースにするべきです。国立競技場に戻る手前の37キロ付近から40キロ付近までに急坂はあるが、それだけでは世界のスピードランナーにおいていかれます。今年のパリ五輪は高低差が156メートルもあり、28キロからのアップダウンはすごかった。900メートルの急な上り坂と、その先には2キロ以上の急な下り坂があった。五輪史上最難関といわれた過酷なコースは我慢比べとなり、それが赤崎と鈴木の入賞につながった。記録が伸びている日本選手は総じてメンタルが強いですから」