感染症
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コロナ禍を経て懸念される「免疫力の低下」 この夏は「体内マスク」で乗り切る!
猛威を振るってきた新型コロナウイルスも5月8日から感染症法上の位置づけが2類から5類に移行した一方で、第9波の到来も予測されており、再発にももちろん注意が必要だ。そんな中、新たに懸念されていることがあるという。それは……。 ■...
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【クロイツフェルト・ヤコブ病】有効な治療薬はなく半年以内で寝たきり状態に
異常なプリオンタンパクによって引き起こされる一群の病気を「プリオン病」と呼びます。前回、お話ししたいわゆる狂牛病=牛海綿状脳症(BSE)もそのひとつです。ヒトのプリオン病にはクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、ゲルストマン・ストロ...
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「大人の麻疹」に気をつけろ 重症化や合併症のリスクが高い
麻疹(はしか)の感染報告が全国で相次いでいる。今月12日、都内在住の30代と40代の男女2人に感染が確認されたと東京都が発表。16日には加藤厚労大臣も会見で注意を呼びかけている。以前は、麻疹の感染は1歳児が最多で、大半は0~4歳児が...
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「原因」と「結果」で考える社会の落とし穴…マスクの効果における病態生理と統計学的事実
今回は非感染者のマスクの効果について、同じように病態生理と疫学的事実で考えてみる。新型コロナ感染症はエアロゾル感染によって広がるということがわかっている。エアロゾルとは空気中を漂うウイルスを含んだ粒子である。 この粒子は不織...
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アフターコロナで目立つ麻疹・結核・インフルエンザ…どう考えればいいのか
新型コロナの感染症法上の位置づけが、季節性インフルエンザなどと同じ5類に移行して2週間ほどが経過した。この間、街は人出が戻り観光地や歓楽街も賑わいを取り戻したが、このところ目につくのが結核、麻疹、インフルエンザといった感染症のニュー...
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【牛海綿状脳症(BSE)】日本を震撼させた「狂牛病」のいま
感染症の原因として、これまで細菌やウイルスだけでなく真菌や寄生虫などについてもお話ししてきました。今回は、異常なプリオンタンパクによる病気(プリオン病)について取り上げます。 プリオン病は感染性がある異常型プリオンが脳に沈着...
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インフルエンザと新型コロナでは死亡リスクはどちらが高い?
新型コロナウイルスの感染が拡大した当初、同ウイルスによる感染症はインフルエンザ感染症よりも重症化しやすいと考えられていました。実際、2020年に報告された米国の研究データによれば、入院患者の死亡リスクは、インフルエンザ感染症と比べて...
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コレラをめぐる「病態生理」と「疫学的事実」の対立…コッホとペッテンコーフェル
前回、病態生理学的に正しい情報と疫学的、統計学的に正しい情報について説明したが、前者は個別の患者の体で起きていることを説明しやすいし、後者は集団で何が起きているかを示している。この2つの正しさは時に対立する。今回はその対立に関する歴...
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【麻疹】感染力が強く手洗いやマスクだけでは予防できない
「麻疹」とは一般的に「はしか」とも呼ばれ、麻疹ウイルスに感染することによって引き起こされる急性の全身感染症です。語源には、「芒(はしか・のぎ)」とする説があります。芒とは、稲や麦などイネ科植物の穂先の針のようにとがった硬い毛のことで、...
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医学的に正しい情報とは…「病態生理学的正しさ」と「疫学的正しさ」の違い
医療は凄まじい勢いで変化しているかに見える。半面、人間は一向に変わっていない。1990年にスタートした「ヒトゲノム計画」を端緒に「ゲノムサイエンス」が進み、それを土台とした「ゲノム情報」を基にした患者の「個別化医療」が勢いを増してい...
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マスクは積極的に外すべき…公衆衛生に詳しい専門医が推奨 WHOも「緊急事態」の宣言解除
新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5月8日に2類相当から5類に変わった。毎日発表されていた新型コロナの感染者数は医療機関全体から報告された全数報告から毎週金曜日に指定された全国約5000の医療機関の定点観測数に変わる。また、...
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【ニキビ】抗生物質を使う場合でもアクネ菌を全滅させるのは間違い
日頃から私たちが「ニキビ」と呼んでいる症状は、じつは「尋常性ざ瘡」という皮膚の病気です。ニキビの好発年齢は思春期以後で、成人では次第に減少していきます。女性ではしばしば中年過ぎまで見られますが、ニキビの発生には男女差はあまりないとい...
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“コロナ明け”だからこそ注意したい健康トラブル<3>【毒虫】拡大中のマダニ対策を徹底したい
毛虫、ハチ、クモ、ムカデなど毒針や毒毛で人に被害を与える毒虫はたくさんいるが、中でも警戒すべきは「マダニ」だ。クモに近い節足動物の仲間で、大きさは数ミリ~1センチ程度。野山や公園の草木から人間に寄生し、皮膚に長い顎を突き刺して吸血す...
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“コロナ明け”だからこそ注意したい健康トラブル<2>【性感染症】“彼女・彼一筋”でもリスクあり
感染者数1万3000人で過去最多──。性感染症、梅毒の話だ。 近年、梅毒患者が急増している。「毎日のように外来に梅毒の患者さんが来る」と話すのは、「プライベートケアクリニック東京 東京院」の小堀善友院長。 「梅毒は同性...
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コロナワクチン接種後死亡は2059件に 初の乳幼児用ワクチン死亡事例も
厚労省は今月28日、新型コロナワクチンの接種と副反応との関連性を議論する専門部会を開催した。 同会に提出した資料によると、予防接種開始(2021年2月17日)から22年3月12日までに新型コロナワクチン接種後の死亡として報告...
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コロナと「EBM=根拠に基づく医療」の実践 高血圧の治療がきっかけ
判断や行動より考えることを重視することは、私自身が常々考えてきたことだが、そのきっかけとなったのは、根拠に基づく医療「Evidence-Based Medicine:EBM」を実践する中で、論文を読んで勉強すればするほど、判断が困難...
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性感染症専門医が語る「サル痘」が日本で急拡大する裏事情…2023年に入り100人突破
サル痘が静かに感染拡大している。国立感染症研究センターが毎週公表している「感染症発生動向調査週報速報データ第15週」(4月10~16日)によると、新たにサル痘が報告されたのは4件、今年の累計数は102件となった。サル痘の日本上陸が初...
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【トコジラミ】駆虫薬への耐性を持った「スーパー南京虫」が増えている
ここ3回、続けてシラミについてお話ししてきましたが、今回はトコジラミを取り上げます。 ヒトに寄生・吸血するシラミは、アタマジラミ、コロモジラミ、ケジラミの3種類です。じつはこのトコジラミは「シラミ」と命名されているものの、シ...
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ワイドショー番組はコロナの感染予防行動にどう影響したか
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、多くの人がテレビ番組から感染情報を得ていたことが報告されています。日本では、ニュース番組だけでなく、ワイドショーでも新型コロナウイルスに関する情報が取り上げられました。 一方、ワイドショー...
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マスク着用に関する「個別」の考えと「一般的」な考え
先日、医者を対象とした臨床研究コースの研究発表会に参加したときのことである。複数の発表者が、「個人的な疑問としては」という言葉を枕にして自身の発表をしたのだが、そのあとに続く発表内容が、個人的どころか、どちらかというと一般的で、みん...
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【コロモジラミ】感染症を媒介する危険 予防には入浴と洗濯が欠かせない
人に寄生する3種類のシラミについてのお話は、アタマジラミ、ケジラミに続き、残るは「コロモジラミ」です。 アタマジラミは主に子供の間でうつり、ケジラミは性感染症としてよく知られています。では、コロモジラミはどうでしょうか。 ...
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コロナとマスク着用 「判断する」と「考え続ける」は相反する部分がある
国は3月13日以降、「個人の主体的な選択を尊重し、着用は個人の判断に委ねる」という判断を発表した。「自粛」と同じ流れである。ただその半面、<着用が効果的な場面>として、以下の状況ではマスク着用を推奨するという内容である。今回も引き続...
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【ケジラミ】完全な剃毛は難しいためピレスロイド系駆虫薬を使う
人に寄生するシラミは3種類います。前回のアタマジラミに続き、今回はケジラミについてお話しします。 アタマジラミは主に子供の間でうつるのに対し、ケジラミは性感染症として知られていて、主に性行為によって感染します。主に陰毛の基部...
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ワクチンに対する思い込みが重篤な副反応のリスクを高める? 米学術誌で報告
薬剤成分が含まれていないプラセボ(偽薬)を飲んでいるにもかかわらず、副作用が出てしまう現象を「ノセボ効果」と呼びます。薬に対する偏った思い込みは、ノセボ効果を増幅させる可能性があります。 新型コロナウイルスワクチンは安全性が...
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対話型AIに聞いてみた ロックダウンと自粛の「倫理」
「ロックダウンと自粛の倫理」について考えてみたい。「倫理」というのはなかなか難しい。日常的にはほとんど使われない言葉だ。ただ身近なところでは、「不倫」というのがある。これは「倫理的でない恋愛」ということだと思われるが、自粛を破って外出...
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新型コロナワクチンはなぜ“企画倒れ”なのか 京大医生物学研究所准教授に聞く③
新型コロナウイルスを積極的に解説している京都大学医生物学研究所ウイルス共進化分野准教授の宮沢孝幸氏。獣医師の宮沢氏がそれを行う理由は、新型ウイルスはほぼすべて動物由来であり、主に獣医師がその危険性を顧みず研究を続けてきたからだ。その...
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【シラミ】薬に耐性があるタイプが増加 沖縄では97%が該当
年配の方は子供の頃、頭に粉薬を振りかけられたことを覚えている方もおられるのではないでしょうか。これはシラミを駆除するために行われていた対策です。 シラミはもともと「白虫」と書かれていた白色の虫で、エサである動物の血液を吸うと...
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コロナはまだ未知なもの…いまは判断、行動にとらわれず、自由に思考すべき
新型コロナ感染症をネタに書き始めたものの、話題は別な方向へとそれていく。そもそもコロナは考えるための材料に過ぎない。コロナについて書きたい人はたくさんいるし、私自身コロナについて書きたいわけではない。多くの人が知りたいということは誰...
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1回のPCR検査陽性で全員隔離は正しかったのか…京大医生物学研究所准教授に聞く②
35年以上、動物ウイルスを研究し続けてきた学者の立場から、新型コロナウイルス感染症の流行初期からその性質と対策について持論を発信し続けている京都大学医生物学研究所の宮沢孝幸准教授。一部の人がコロナ禍で感じてきた「新型コロナは少し騒ぎ...
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梅毒が全国で前年同期比43.2%増、東京は累計報告数731件に…感染症発生動向調査第11週
国立感染症研究所は3月28日、感染症発生動向調査週報2023年第11週(3月13日~3月19日)速報データを公表した。 新規梅毒報告件数は160件増えて、今年に入っての累計報告件数は2846件となった。これは前年同期の累計報...