青島周一
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青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

ワクチンに対する思い込みが重篤な副反応のリスクを高める? 米学術誌で報告

公開日: 更新日:

 薬剤成分が含まれていないプラセボ(偽薬)を飲んでいるにもかかわらず、副作用が出てしまう現象を「ノセボ効果」と呼びます。薬に対する偏った思い込みは、ノセボ効果を増幅させる可能性があります。

 新型コロナウイルスワクチンは安全性が高く、重篤な副反応が現れることはまれです。

 一方、倦怠感や頭痛、発熱など、軽度の副反応は、ワクチンを接種した方の多くに生じます。このような副反応は、程度の差はあれノセボ効果の影響を受ける可能性があります。そんな中、新型コロナウイルスワクチンに抱いている信念や価値観と、副反応の関連性を検討した研究論文が米国医師会のオープンアクセスジャーナルに2023年3月27日付で掲載されました。

 ドイツで行われたこの研究では、新型コロナウイルスワクチンの接種を受けた1678人(年齢中央値34歳)が解析対象となりました。被験者に対してワクチン接種前にアンケートを行い、ワクチンの有益性について「利益なし」から「非常に高い利益あり」まで、有害性について「リスクなし」から「非常に高いリスクあり」まで、それぞれ10段階で評価を行っています。また、ワクチン接種後の副反応についても10段階で症状を評価し、ワクチンに対する価値観との関連性が解析されました。

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