ワクチンに対する思い込みが重篤な副反応のリスクを高める? 米学術誌で報告
薬剤成分が含まれていないプラセボ(偽薬)を飲んでいるにもかかわらず、副作用が出てしまう現象を「ノセボ効果」と呼びます。薬に対する偏った思い込みは、ノセボ効果を増幅させる可能性があります。
新型コロナウイルスワクチンは安全性が高く、重篤な副反応が現れることはまれです。
一方、倦怠感や頭痛、発熱など、軽度の副反応は、ワクチンを接種した方の多くに生じます。このような副反応は、程度の差はあれノセボ効果の影響を受ける可能性があります。そんな中、新型コロナウイルスワクチンに抱いている信念や価値観と、副反応の関連性を検討した研究論文が米国医師会のオープンアクセスジャーナルに2023年3月27日付で掲載されました。
ドイツで行われたこの研究では、新型コロナウイルスワクチンの接種を受けた1678人(年齢中央値34歳)が解析対象となりました。被験者に対してワクチン接種前にアンケートを行い、ワクチンの有益性について「利益なし」から「非常に高い利益あり」まで、有害性について「リスクなし」から「非常に高いリスクあり」まで、それぞれ10段階で評価を行っています。また、ワクチン接種後の副反応についても10段階で症状を評価し、ワクチンに対する価値観との関連性が解析されました。